2016.04.12

TELEHOUSEブランドならではの信頼性、堅牢性を実現する「TELEHOUOSE TOKYO Tama3」の建設こだわりとは?大成建設へインタビュー


大成建設写真:   左から筆者、大成建設 石橋さん、松本さん、藤村さん、諏訪さん

データセンター企画リーダーの柳澤です。広大な敷地にTELEHOUSE TOKYO Tamaの一期棟、二期棟に次いで2016年2月16日に三期棟としてサービス提供を開始しました。今回の記事は、国内最大級の電力供給能力を備えたTELEHOUSE TOKYO Tama3(以下、Tama3)の建設をお願いした大成建設へのインタビューをお届けします。取材にご協力頂いたのはTELEHOUSE TOKYO Tama3の技術営業責任者である大成建設株式会社 諏訪浩一さん、設計をご担当頂いた松本安正さん、藤村淳一さん、工事をご担当頂いた石橋正洋さんです。

国内最大級規模の「TELEHOUSE TOKYO Tama3」を支える電力供給能力と冷却装置

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柳澤:大成建設ではデータセンター建設に多くの実績があるとお聞きしていますが、そのご経験の中でも、TELEHOUSE TOKYO Tama3(以下、Tama3)の特徴的なところはどのような点だと思われますか?

大成建設:データセンターの建設については、新築のデータセンターだけではなく、サーバー室の改修という案件も含めれば、今までに約120件ほどの建設に携わっていますが、Tama3の最も特徴的なところは、やはり規模でしょうね。延べ床面積が3万平方メートルあり、3千ラック*を収容できるこの規模は、間違いなく国内最大級です。(*筆者注:データセンター外の用途を含む)

柳澤:実際に足を運んでみて、改めて大きさに驚きました。施設の写真撮影にも建物全体を収めるのに大変な大きさですね。また、データセンターエリアにおけるラックあたりの供給電力が、定格で最大42kVA、平均で21kVAという電力供給能力も国内最大級かと思いますが、それだけの熱量を冷やす冷却装置の設計も苦心していただいた部分かと思います。

大成建設:建物全体でデータセンター以外の設備も含め、おしなべて全ラック、実効で10kVA/ラック(定格15kVA/ラック)は、標準の冷却装置で冷やせる設計になっており、ラック数も最大級であれば、冷却熱量もビル全体で終局時で約32MW(実効)と最大級。その中でも集中するところは、30kVA/ラック(定格42kVA/ラック)対応というスペック。屋上の冷却装置の並べ方など非常に苦労しました。ほんとにこんなに使うかな?というくらいすごかったですね。屋上の面積があったからこそ実現しましたが、1期棟で採用している水冷式の冷却装置が敷地の給水キャパシティ的に使えないという条件の中で、どうようにその熱量を賄うのか、初期検討の際に苦労して考えた点ではあります。

柳澤:スペースがないとモジュールチラーが並びきらないですから、高層ビルでは実現できなかったですね。他に、Tama 3ならではの特徴的なところはありますか?

大成建設:2つあります。1つはTama 3自体がアーチ型の構造のため、基礎が2つに分かれていること。最終的には一つの建造物になるので免震が同じ動きをするようにしないといけない。最初は別々に鉄骨を組み立て、後からアーチを組んだわけですが、ねじれが生じないよう1000分の1の誤差に収まるよう苦労しました。現場の事務所では実寸の絵を描いて何度も検討を行い、設計しました。2つ目は、エントランスを一つにするために、別の免震建造物であるTama 2とTama 3を構内通路を設置して貫通させたことです。免震の建物同士を繋ぐというのは他に例を見ないですね。免震でなければ、渡り廊下を繋ぐ建物はよく見かけますが、お互いが免震構造を有していながら、連絡通路を持つというのは構造設計も施工も苦労したところでした。データセンター用のエントランスは二期棟と兼用としたことで、空いたスペースをリフレッシュスペースに確保することができました。他のデータセンターと比べても余裕があり十分な空間を提供できていると思います。

柳澤:当社のスペース有効活用のお願いに対して、いろいろなご苦労、工夫がされているのですね。ところで、万が一の地震の際の揺れは最大どれくらいになりますか?

大成建設:Tama 3は最大で75cm水平方向に揺れます。それぞれのビル(Tama 2, Tama 3)が別の動きをしても通路に影響のないように、躯体のクリアランスを十分確保し、離れる方向で動いたとしても床壁の隙間が空かないように設計されています。

スムーズな工事を実現した工夫

柳澤:工事の面でのご苦労はありましたか?当初のスケジュールどおり、延べ工期約17ヶ月で竣工することが出来たのには、ご苦労があったり、色々と工夫頂いたのかと思いますが。

大成建設:1期棟、2期棟が通常運用されている中でのTama 3の工事なので、気を遣いました。運用中のデータセンターを利用する方と共通の正門からのアクセスとなってしまうため、工事車両の出入り専用に仮設のスロープを設置して対応しました。また、既存の建物と発電機ヤードに挟まれたエリアでの工事だったため、赤外線センサーやカメラ、レーザースキャナーを設置し十分なセキュリティや安全策を確保し、工事を進めました。

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柳澤: タイトな工程ということで、他に工夫された点はありますか?

大成建設:日常の工程管理はもちろんのこと、規模が大きいため、スケジュールどおりに進めるために早め早めに資材調達を行いました。メイン躯体の鉄骨 約6,200tは7社の製作工場に分割して手配、押出成形セメント板(外壁材)は約11,500㎡を必要とし、主要2メーカーにあらかじめ確保したい時期を明確に伝え、手配を早めました。

4写真:地組ユニットデッキの荷揚げ作業

あとは、鉄骨工事工程を短縮するために、ユニットデッキを地組みしてから荷揚げ、取り付けを行ったことです。通常は、小梁を1本ずつクレーンで荷揚げ、取り付け後、デッキ材の敷き込みをします。Tama 3では地上面にて、鉄骨小梁とデッキプレートを敷き込んだユニット部材をクレーンで荷揚げし、取り付けを行いました。クレーンの吊荷の往復回数を減らすことが工期短縮につながります。通常工法に比較し、1.5倍程度の効率化が図れたのではないかと思います。また、高所でのデッキ敷き込み作業が回避できたこともあり安全面での効果もありましたね。

柳澤:IT面での工夫は?

大成建設:Field Padと呼んでいますがiPadを使った施工管理は3年ほどやっています。今ではどこの現場でも使われているかと思いますが。昔のように図面を抱えていかなくてもいいですし、現場での異変も写真を撮って事務所へ送信してもらえば、事務所側で検討してすぐに返答することもできます。Tama 3は元気のある若手社員でメンバー構成しましたが、若い社員は使いこなすのが上手いですね。

工事現場におけるコミュニケーションの大切さ

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大成建設:それと、作業所内や協力業者とのコミュニケーションも欠かさないようにしていました。コミュニケーションが密にいかない現場は往々に遅れてくるので、若い社員と協力業者さんとのコミュニケーション、目標感を常に伝えて、節目であるマイルストーンは絶対に遅らせない、遅れた分は取り返すという目標を共有していました。

柳澤:社員と協力業者さんとのコミュニケーションを密にするために具体的な工夫などはあるのですか?

大成建設:KDDIの運用の方にもご参加頂き、大成社員、協力業者が集まってのボーリングやフットサル大会、カキ氷や飲み物の配布、近隣の施工業者さんへも声をかけて周辺道路の一斉清掃などの親睦会を行いましたね。イベントは惜しみなく開催し、いい雰囲気で仕事ができるよう配慮しました。例えば、業者間で車両の交錯があった時に円滑に融通しあったりとか、コミュニケーションから、いい方向に流れていくんですね。最大で300名近くもの方が同じ現場で働いていましたのでコミュニケーションは大切にしていました。結果的にそれが作業安全にも繋がってくるのです。

TELEHOUSEブランドのデータセンターとは?信頼性、堅牢性の高いサービスを目指して

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柳澤:竣工を終えての率直な感想としてはいかがですか?

大成建設:TELEHOUSEブランドのデータセンターを是非作りたいと思っていたので、実現されたことを率直に嬉しく思っています。以前も、設計コンペに参加したのですが採用されず、KDDIのデータセンターとは?我々はどう提案すべきか?を判断するために、KDDIの目指すデータセンターを改めて考えた時期がありました。公共の通信サービスを支える会社として、先進性、最新の技術の追及をするよりも、もっとも重要なのは信頼性のおける技術で確実な設計が求められていることに気づきました。その結果、堅実でコストパフォーマンスに優れたデータセンターが完成したと思っています。信頼性が高く堅実なシステムと、高い環境性能を両立させるという点で、様々な工夫を求められ、苦労した事もありました。想定される様々な事象が発生した場合に機能を継続するためにどうすべきかを基本設計の段階からよく考えて作り出した結果がこの施設だったと、出来上がってみて改めてよく考えて作られているという印象を持ちました。

柳澤:本日お話意をお伺いして、TELEHOUSEブランドを支えて頂くために様々なご苦労と工夫をしていただいたことがわかりました。TELEHOUSEとして誇れるデータセンターを建設して頂いたと思っています。本日は、ありがとうございました。

対談を終えて

Tama 3建設にあたりいろいろなご苦労があり感謝しております。その中で嬉しかったことは当社への見方についてです。KDDIという通信会社のDNAが流れているため、堅実さを求めているという点です。実は、今回コメントをいただき、気付かされたのは私です。ある意味、外から見てもTELEHOUSEは堅実という評価をいただいたようで、嬉しく思っています。

皆様には、機会があれば是非、キャリアのデータセンターとして堅実に仕上がった TELEHOUSE TOKYO Tama 3をご検討していただければ幸いです。

プロモーションビデオ


TELEHOUSE TOKYO Tama 3のオープン時期に合わせ、プロモーションビデオTHE FIRST NAME IN A CONNECTED WORLD”を作成しました。グローバルでTELEHOUSEを訴求する内容になっています。TELEHOUSE TOKYO Tamaのエントランスに設置したモニター、プロジェクターにて投影しています。各国のTELEHOUSEでも同様に対応する予定です。

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KDDI株式会社 ソリューション事業企画本部
ネットワークサービス企画部

柳澤 健之

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