2014.08.05

実は、低コストと高品質なサーバは実現できる

①台湾サーバ写真

初めまして、KDDIクラウドプラットフォームサービス(以下 KCPS) のインフラ担当 加藤真人です。
プラットフォームサービスを提供しているKCPS開発担当は、大きくインフラチームとクラウド管理チームで構成されます。私がリードするインフラチームは、物理サーバ、ネットワーク機器、ストレージ、ファシリティー(電源、ラック)、ハイパーバイザーまでを担当しています。KCPSをこれまで以上に品質の高いサービスとして提供していきますので、よろしくお願い致します。KCPSで利用しているサーバは、PublicKeyでも紹介されましたが台湾のODMベンダであるQuanta ComputerWiwynnから直接調達しています。(ようやく皆さんへ公開する許可がおりました!)OEM(Original Equipment Manufacturing)ベンダという言葉はよく聞くと思いますが、ODM(Original Design Manufacturer)ベンダとは私達が要求するサーバ仕様を製造供給するメーカになります。簡単に説明しますと、KDDIのオリジナルサーバを製造してくれるベンダになります。このような調達スタイルはすでにGoogleFacebookRackspaceなどの海外大手クラウドサービスプロバイダが採用しており、サーバ市場の半数がODMサーバとなりつつあります。また、国内のサーバメーカの一部サーバにおいても、ODMメーカがOEMとして提供していることは皆さんも知っていると思います。

高性能なのに低価格。ODMサーバが全力稼働中

②サーバ写真

ではなぜ、このような調達ルートが生まれたのか?何が違うのか?を説明していきたいと思います。クラウドサービスプロバイダにとって、サーバは大切な商品そのものです。高性能かつ高品質なサーバをいかに低価格で提供するのか?がクラウドサービスプロバイダに求められている使命であり、それを実現できる一つの選択として、台湾ODMサーバがあります。なぜ実現できるかといいますと、サーバの設計工程において、無駄なパーツを徹底的に取り除くことでコスト削減はもちろん、消費電力、障害発生率を低減させることができるのです。もちろん、コストメリットだけではありません、パーツ選定を自ら行うことでサービスにベストな組み合わせを実現でき、品質の高いパーツを選定し購入することが出来るのです。例えば、パーツの中で故障率の高いメモリはホットスワップが出来ないため、サーバを停止しての交換となり面倒な作業が発生します。しかも、メモリのロット不良が原因の場合、システム全体へのインパクトは小さくはありません。これを回避するためにKDDIでは、メモリを購入する場合はメーカや品質を指定し、分散して搭載することもあります。ここまで出来るのも、オリジナルサーバのメリットではないでしょうか。

オリジナルサーバの設計

③FANの写真サーバ筐体内部FANの写真

サーバ設計時には、サーバのバーツを全て分解し、単一障害ポイントとなるパーツが無いことやエアーフローの確認を行います。この工程を行うことで、設計したサーバについての全て知ることが出来るのです。一番重要なエアーフロー設計においても、メモリの搭載量や搭載数、CPUの発熱量を考慮してFANの回転数も調整します。この調整により、劇的にメモリのビットエラーを減らすことができ、FANを無駄に最大回転数とした場合、故障率が高くなるため回転数の調整が重要なのです。さらに、ラック内のサーバ搭載位置により温度のムラが発生することがありますが、搭載位置毎にFANの回転数を変更することで均一的な温度管理を行い、サーバにベストな環境を提供することも出来るのです。ここまで、チューニング出来るのもサーバにオリジナルデザインを行える台湾ODMサーバのメリットであり、高品質なサーバを自らの手で設計することが可能なのです。この設計経験が運用時に、故障個所や故障原因の早期特定に役立ち、サービスの安定稼働にも結びつくのです。

しっかりとした技術力

私たちが取引をスタートした時点では、国内での直接取引事例が殆どありませんでした。このため保守体制や製品サポート体制を一から構築しなければなりませんでした。これも、通信キャリアとしての長年の運用経験と技術力があったから実現出来たと考えています。オリジナルサーバを調達するには、サーバメーカと同等の知識と技術力が必要になります。このグローバルベストな台湾ODMサーバを、日本のキャリアクラウドにおいても是非提供したいという思いが、サーバ技術者魂に火を付け実現しました。台湾サーバを導入してから数年が経過した今、この勢いはすでに標準的な選択肢の一つとなり「サーバのコモディティ化」がすでに始まっています。その象徴ともいえる団体が、Facebookの提唱するOpen Compute Project(OCP)になります。KDDIはOCP-JapanとOCP-Taiwanに加盟する唯一のキャリアになります。
今回は台湾ODMベンダの魅力の一部を公開させて頂きました、次回はOCPについてお話ししたいと思います。

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KDDI株式会社 プラットフォーム開発本部
プラットフォーム技術部

加藤 真人

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