2015.04.21

「au Cloudでも利用されているKCPS。その魅力とは」

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KDDI クラウドプラットフォームサービス(以下、KCPS)開発リーダーの前原です。今回は、KCPSを利用してサービス提供している*au Cloud(データお預かりサービス)を構築したKDDI コンテンツビジネス部 菊池氏と改めてKCPSの魅力について議論した内容を掲載します。
※au Cloud とは、auスマートパスに加入しているお客様向けに、スマホ内の写真や動画、メールのデータをお預かりするサービスです。

短い開発期間を可能にした“クラウド”という選択

前原:KCPSをau Cloudで採用して頂いたのは、2011年にKCPSの前衛であるバーチャルデータセンターサービス(以下、VDC)の頃でしたね。膨大なユーザ数を抱えるauのお客様向けにサービス提供するに当たり、クラウドサービスを採用するというのは、当時は画期的な選択でしたよね。

菊池氏:コンシューマ向けサービスは特にスピードが重視されます。au Cloudを立ち上げると決まった時、開発期間としては3ヶ月ほどしか猶予がなかったため、オンプレでシステムを作るには、時間がない。そこにリソースをかけるよりはアプリを作るという点に注力せねばならない状況でした。また、お客様の写真や動画、メールを預かるというサービスの特性上、大容量ストレージを必要としていましたし、急激にサービスが拡大することも想定して、リソースが潤沢にある必要もありVDCを選択しました。

お客様のデータをお預かりするということ

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前原:au Cloudは、そもそもどういったサービスコンセプトで企画されたのですか。

菊池氏:最も大切にしているコンセプトは「お客様一人ひとりのデータを大切にお守りする」という事です。いつでも持ち歩くスマホは、盗難や水没、紛失の可能性は高く、その中でいかにお客様の大切な思い出や情報を安全に守ることができるかを第一に考えていました。そのため、au Cloudは、写真を撮ったら自動的にアップロード出来るようになっており、万が一の時の備えが万全です。

前原:私もKCPSの開発リーダーという立場でau Cloudのサービス立ち上げをサポートしましたが、 お客様データを守るという点は、上層部も含めて、皆が強いこだわりを持っていましたよね。“仮にスマホが壊れてもお客様の情報は絶対に無くさせない、キャリアグレードのサービスを提供する”という信念をメンバーそれぞれが強く持っていた事が印象的でした。そのため、現在は国内3拠点にあるデータセンター内で守られる構成になっています。万が一、一つのデータセンターが破壊されたとしても、他の2拠点でデータを守ることができるというのは、お客様に安心してご利用いただける理由ですよね。

菊池氏:当時、TVで東日本大震災のドキュメントを見ていて、ご自宅で現像写真を保管されていた被災者の方が、津波で写真も全て流されてしまったと嘆いている姿を何度か目にしました。写真を失う事は、その人の大切な思い出そのものを失うことだということ、それが、どれだけ辛いことかを痛感しました。ですから、「1枚であろうとも、絶対に失わせてはいけない」という使命を感じていましたね。それだけ大切な宝物をお預かりするという責任感を持って、品質を堅牢にしていくことに高いプライオリティをおいています。

重視したポイントは「品質」「価格」「拡張性」

前原:au Cloudで利用しているKCPSですが、ユーザ視点で見ると、どのような点が魅力だと思いますか。

菊池氏:一番の魅力は、サービスコンセプトとしても大切にしている「お客様データを大切にお守りすること」を実現する品質で提供しているということだと思います。それに加えて、サービス提供側としては、お客様に魅力的な価格で提供することが課題となってきますので、「ネットワーク利用料が無料であること」は大きな魅力でした。au Cloudはスマートパス会員向けのサービスであり、このサービス単体での利用料は発生しないサービスですので、インフラを定額料金で利用できるというのが収支を検討する上でも重要でした。お客様にも料金を気にせず写真を撮って頂きたかったので、ネットワーク利用料がその都度発生するようでは、お客様に魅力的な価格での提供はできませんからね。

前原:KCPSはネットワーク利用量に左右されない固定料金で提供しているので、予算化しやすいという点はメリットですよね。お客様にフル活用して頂いた場合もリスクが発生しないという点でも安心してご利用頂けるサービスであると思っています。

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菊池氏:あとは、au Cloudの発足当初はユーザ数の伸びが予想しづらい点もあり、徐々に拡張でき、急激なユーザ増加にも対応できる潤沢なシステムリソースがあるという点も大きな魅力でしたね。会員数が爆発的に伸びた時もありましたが、スケールアウト型でどんどんサービスを広げていくことが可能でした。

前原:2週間でサーバを30台増設、などの対応が発生した時もありましたよね。現在は、増設に続く増設で、au Cloudサービス向けにKCPSで300台のサーバを運用しています。

菊池氏:また、ストリームやGPUなど通常のサービス範囲内では提供できない特殊なプラットフォームもカスタム(Custom)として提供してもらえるため、利用幅が広がりました。それらを組み合わせる特殊なプラットフォームとなると、もうクラウドは使えないという結果になりがちですが、汎用的なクラウドサービスと特化型のハードウェアとの組み合わせを一社から提供してもらえる柔軟性は魅力であると思います。

前原:お客様によってはサーバ、ストレージ、ネットワーク機器など特定のものを使いたいなどのこだわりを持っている方もいらっしゃいますからね。それらのお客様の意向を汲める体制にあり、KCPSと同じLANの中に設置できる環境になっています。

11億枚の写真をお預かりするau Cloud1枚のロスも許されない。

菊池氏: au Cloudは現在、約11億枚の写真をお預かりしています。容量でいうと3.9ペタになります。膨大な量のデータですよね。その膨大な量のデータをお預かりしていて、1枚もロスや劣化させることなく、お客様にお預かりした時のデータのままに大切に保管しています。

前原:大切にお預かりするという点では、安定した品質提供はもちろん、ウイルスチェック機能も標準テンプレートで提供しているというのはKCPSのこだわりでもあります。写真は、自分で使う以外にも第三者に引き渡す用途もありますからね。お客様にインストールして頂くなど手間をかける必要なく、お客様に意識していただかなくても安心、安全な環境を提供できるサービス提供を心がけています。

菊池氏:我々は、インフラ設備の運用に関して詳しいノウハウがあるメンバーばかりではないので、そこをフォローし、監視、運用してくれるというのは非常に助かります。インフラに何も問題が無いのが当たり前のように、上手く運用を回してもらっているのだなと感謝しています。

前原:KCPSは、品質向上の取り組みをこの2年で徹底して行ってきたので、監視についてはクラウド事業者の中でも最高峰であると自負しています。万が一、サーバが落ちたとしてもすぐに検知して立ち上げにいくなどのノウハウが蓄積し、不具合が発生する前に検知するなどの自動化、ヒューマンリソースの配置など、サービスがストップすることのないよう、事前の配慮を怠らないようあらゆるチェックを行っています。

菊池氏:私たちには見えないところで、安定した品質提供の裏に数々の苦労があったわけですね。今後もau Cloud を支えるKCPSとして、クオリティの高いサービス提供を引き続き宜しくお願いします。

img4KDDI 渋谷ヒカリエオフィスにて

菊池 浩隆さん: KDDI 株式会社 新規ビジネス推進本部 コンテンツビジネス部

対談を終えて
au Cloudの開発プロジェクトがスタートした2011年といえば、まだまだ日本でのクラウド利用は定着しておらず、クラウドに対してネガティブな意見が多かった時代です。そのような中、品質が最重要となるシステムを思い切ってクラウド上に構築する決断をし、「迅速性」「拡張性」などの恩恵を受けることができた事例を紹介いたしました。当時は専門知識のあるエンジニアがクラウド上の仮想サーバを適切に配置する必要がありましたが、現在のKCPSではエクストラアベイラビリティなどの機能を利用することで、高信頼なシステムを容易にクラウド上で稼働させることが可能です。皆さんにもKCPSをお試しいただき、クラウドの恩恵を受けてもらえたらと思います。

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KDDI株式会社 プラットフォーム開発本部
プラットフォーム技術部

前原 剛

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