2015.12.08

KCPSオブジェクトストレージの堅牢性「99.999999999999%(14ナイン)」の秘密

こんにちは。KCPSオブジェクトストレージサービス開発担当の本江です。今回はKDDIの法人向けオブジェクトストレージサービスである、KCPSオブジェクトストレージ開発でこだわった、オブジェクトストレージの堅牢性についてお話したいと思います。

みなさん、「堅牢性」という言葉を聞いてピンとくるでしょうか?
一般的に、データベースやファイル更新などのリアルタイム処理が求められるシーンではシステムの可用性やI/O(※インプット/アウトプット)性能が重視される傾向にあり、ブロックストレージやファイルサーバがよく利用されます。これに対し比較的I/O頻度が少なくバックアップなどデータを大切に保護保管することが求められるシーンではオブジェクトストレージがよく活用され、主に耐久性・信頼性・機密性、完全性などが重視される傾向にあり、これらを総称したものが堅牢性という言葉でよく使われます。分かりやすく例えると、可用性はサービスが停止しないことを表す指標なのに対し、堅牢性はサービスが停止してもデータが無くならないことを表す指標と言え、「堅牢性が高いシステムだと、安心してデータを預けることができる」、ということにつながります。

クラウドサービス開発部では以前からオブジェクトストレージを利用していましたが、より高い堅牢性が実現できる製品の選定・評価を行い、Cleversafeストレージの採用に至りました。拡張性、Write/Read要求処理性能、Write処理時のコミットから複製完了までのプロセス、ディスク盗難時のデータ漏えいリスクなど様々な観点で評価を行いました。別記でCleversafe導入について触れていますのでよければご参照ください。

高い堅牢性を実現する設計

高い堅牢性を実現できるCleversafeのシステム設計についてお話します。Cleversafeは分散保存方式のオブジェクトストレージで、データを暗号化しパリティビットを付加したものを複数ノードに分散保存します。KCPSオブジェクトストレージでは、1つのストレージプールを18のストレージノードで構成し、18ノード中、11ノードが稼働していればデータの読み出しが可能な設計とし、国内3箇所のデータセンターに6ノードずつ配置しています。これは1つのデータセンターが稼働しない事態となってもデータを失わないという設計思想に基づいています。

  img_clever

また、1つのストレージノードには数十本のハードディスクが搭載されており、1つのスライスデータは各ノード内の任意のハードディスクに保存されるため、ノードが故障してもデータが無くなることはなく、実際には、あるデータのスライスデータが保存されたハードディスクが、8ノードに渡って8本同時故障しなければデータロストすることはありません。

img_sliceofpool

容量拡張時は、ストレージプールを追加作成し、論理的に拡張する構成を取っています。データの格納先ストレージプールは、ゲートウェイノードで書き込みリクエストごとに任意に選択され、保存されるデータはある1つのストレージプール内のノードに分散保存されるため、容量拡張が容易となっています。また、ストレージプールを並列に増やしても各ストレージプール内のノード数は一定なため、応答速度の低下なく堅牢性を維持することができます。

img_poolext

14ナインとは?

99.999999999999%と表現される堅牢性ですが、1年間にデータロスする確率を示しています。堅牢性の計算は、ストレージプールを構成する総ノード数、読み取り可能となるノード数、ノードに搭載されるハードディスク本数、ハードディスク容量、ハードディスクの故障率やハードディスク故障時のデータ退避/復旧に関する係数、などから求めることが出来ます。例えばストレージプール内のノード数を増やすことで堅牢性を高くすることも可能ですが、その分お客様のコスト負担増につながってしまいます。KCPSオブジェクトストレージでは、堅牢性/拡張性/コストのバランスから、18ノード3拠点分散のストレージプール構成を決定し、この構成から導き出される堅牢性が、99.999999999999%(14ナイン) となります。一般的なインターネット型クラウドストレージでは、99.999999999%(11ナイン)と表記されていることが多く、この場合、「1億個の実データを10年間保存した場合に1個データがロストする確率が0.01%である」と言い換えることが出来ます。お客様によっては実データを小サイズに分割するなど様々な方法で保存され、お預かり期間も長期にわたると想定されます。万一の確率を限りなく低くすることがサービスプロバイダとして重要であると考えます。14ナインの場合、「1億個に1個データが10年以内にロストする可能性」は0.00001%まで下がると言え、より高い安心感をお持ちいただけるかと思います。

数値に表れない堅牢性

堅牢性には、機密性、完全性という意味合いもあります。KCPSオブジェクトストレージはキャリアクラウドとしての強みを活かした閉域網でのセキュアアクセスサービスをご提供しています。詳細は、別記をご参照いただければと思います。簡単にご説明しますと、お客様のデータへはお客様の閉域網からしかアクセスできない設計としており、万一お客様のご利用IDが第三者に漏えいしても、お客様閉域網以外の外部ネットワークからはアクセスできない仕組みとなっています。昨今のクラウドストレージはインターネット経由のアクセスが多い中、データロストしないこと以外にもより安全なアクセス環境も設計コンセプトとして開発しております。

最後に

いかがでしたか?オブジェクトストレージと求められる堅牢性について、なんとなくご理解いただけましたでしょうか。KCPSオブジェクトストレージでは、お客様に安心安全にデータを預けていただけるサービスとなるよう、品質づくりを行っています。インターネットクラウドストレージ利用に不安をお持ちの方は、是非KCPSオブジェクトストレージをご検討いただければと思います。安心してください!分散保存してますから!!

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KDDI株式会社 プラットフォーム開発本部
プラットフォーム技術部

本江 政司

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