2014.10.02

クラウドを支える縁の下の力持ち(KCPSファシリティ紹介)

KDDIクラウドプラットフォームサービス(以下、KCPS)のインフラ担当の加藤真人です。今回は、インフラチームのファシリティ設計業務を紹介します。普段あまり表に出ることはありませんが、インフラのもっとも低レイアの領域となります。何をするにもここから全てが始まり、ここがサービスの土台を支える最も重要な業務になります。KCPSの設備は、世界13カ国/地域・24都市・42拠点に提供しているTELEHOUSEのデータセンターに設置され、最適なファシリティ環境で運用されています。

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ファシリティ設計においては大きく下記のポイントを考慮しますが、今回は(★)の項目について紹介していきます。

  • データセンター選定(★)
  • 消費電力
  • 発熱(★)
  • 保守スペース
  • 搭載間隔
  • 配線ルート(弱電・強電)
  • 総重量
  • 保守性
  • 耐震対策(★)

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【データセンター選定】

データセンターの選定は、災害対策、ネットワーク遅延、緊急時の現地駆けつけ時間などを検討しKDDIの複数データセンターから選定されます。国内KCPSにおいては東日本に2サイト西日本に2サイトの合計4サイトで提供し、多彩な利用シーンにおいて最適なサイトを自由に選べるサービスとなっています。もちろん、各サイト間でのネットワークリーチャビリティーや仮想マシンのテンプレート共有が可能であり、有事に備えたバックアップサイトを簡単に構築することができます。さらに、スナップショットを利用すれば、取得したデータは自動的に各サイトにバックアップが取られるよう設計しており、データの保全性の高いサービスを提供しています。またデータセンターのファシリティは、強固なセキュリティシステム、耐震性、冗長電源・冗長空調システムでしっかりと守られ、KDDIならではの大容量なイントラネット(WVS)/高速インターネットが利用できることも、大きなメリットになります。
開発者視点からいいますと、急なトラブル対応やメンテナンスにおいて長時間データセンターに滞在することがあります。昔は寒すぎて人間にやさしくないデータセンターでしたが、近年のデータセンターは温度湿度が適切に管理され、人間にも機械にもやさしいデータセンターになっています。また、休憩設備や打ち合わせスペースなど人と機械が共存する環境へと変化しています。

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【発熱】

クラウドサービスにおいて、沢山のサーバやストレージ機器を利用するためどうしても避けられないのが熱問題です。KCPSにおいても、消費電力の少ないCPUやSSDの採用により発熱を抑える取組みを行っていますが、発熱をなくすことは出来ません。このため、各データセンターにおける熱処理能力、電源許容量などのファシリティ条件を考慮し、搭載する機器をうまく組み合わせながらラック内の搭載位置を決め、風量や隣接するラックの発熱量また将来の拡張性を考慮してラックの設置位置が決まります。単純に並べられているようで実はこれまでのキャリアとしてのノウハウから適切な位置が決められるのです。温度はシステムに重要なインパクトを与えます、CPUの暴走やハードウエアの故障率の上昇です。最近のハードウエアは75度位まで耐えられる設計になっていますが、熱による故障原因は基盤の化学変化による変質です。これは温度上昇により発生率が数倍になるといわれています。室内温度が20度でもサーバ内部の基盤温度は70度以上となる場合もあるのです。このため、複数ポイントでの温度監視が非常に重要になり、やみくもに温度を下げるのではなく、稼働状況によって適切な温度管理がシステム安定稼働の要件ともなるのです。
今後、建設されるデータセンターではクラウド利用を想定し、ラックあたりの電力消費量がこれまで以上に高くなり、環境を考慮したエコデータセンターへの取組みが必要となります。サーバなどのハードウエア機器からデータセンターを含めた全体最適化の取組みがもう始まっています。

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【耐震対策】

KDDIのデータセンターは、震度6強クラスの地震動に耐えられる免震/耐震構造となっているほか、火災に対しても、火災報知システムや延焼防止システムに加え、火災予兆検知システム (VESDA等) の採用により万全を期しています。国内KCPSにおいては4サイト提供していますが、各サイトが強固なファシリティに守られているため、地震が発生してもラック内の機器が落下することや物理的な破損が発生することはほとんどありません。私自身もデータセンターでの作業中に何度か地震に遭遇しましたが、強い揺れを感じることなく安心して作業を継続することが出来ました。少し、船にのった気分になりましたが・・・。また、地震が発生したとき、設備は大丈夫かな?と心配になることがあるかと思いますが、KCPSで利用している各データセンターには24時間運用者がいるため、設備の確認も素早く対応してもらえるのも安心の一つです。

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その「もったいない」にこだわります。

クラウドサービスにおけるデータセンターのラック搭載をイメージすると、ラックにギッシリと詰め込まれたサーバとスイッチ、そして配線の束をイメージするのではないでしょうか?
KCPSは、KDDIの通信事業を支える工事基準と同じ基準で施工され、「もったいない」と思うスペースを安全のために確保しています。だれもが「もったいない」と思う部分が最終的には安定稼働という価値に直結するのです。この「もったいない」がKDDI品質の「こだわり」です。これらにプラスして、美しさも実は加味しているのです。だれに見せる訳でもないのですが、ラックやケーブルの色などにも工夫しており、施工後の整線されたケーブルやLEDの光などは芸術という領域です。まさに、匠の技あり!です。一日見ていても飽きないのは、私だけでしょうか?

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今回は、皆様にあまり知られていないファシリティにおける「縁の下の力持ち」の一部を紹介しましたが、「百聞は一見にしかず」ということで実物を見せられると一番いいのですが非常に残念です。写真で我慢してください。サービスとして表には出てこない部分ですが、沢山の人の力で支えられている重要なファクターになります。今後も、一つ一つを着実に支えていき安心をお届けします。

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KDDI株式会社 プラットフォーム開発本部
プラットフォーム技術部

加藤 真人

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