2014.10.29

欧米諸国通信キャリアのクラウドへの取り組み

Worldwide communication concept

初めまして。KDDI クラウドプラットフォームサービス (KCPS)のグローバル展開担当、Vemuri Murtyです。今回は欧米諸国の通信キャリアのクラウドへの取り組みをご紹介します。キャリアクラウドの市場は急速に伸びており、近い将来に通信キャリアはクラウドサービスのハブとなり、大きな影響力を持つと考えられています。クラウドはお客様宅内にサーバを設置せずとも電気やガスのようにサービスとして利用できるITインフラの仕組みです。必要に応じてオンデマンドでリソースの増減ができ、しっかりしたネットワークさえあれば、クラウドは実現出来ます。このネットワークを提供する通信キャリアは、クラウド市場で重要な役割を担うことになるでしょう。通信キャリアはクラウドに必要なすべての要素を提供出来るユニークな立場にあります。つまり、多くの通信キャリアはデータセンターの運用をし、充実したネットワークを持ち、セキュリティを理解しており、使った分だけの支払うという課金システムやSLA にも慣れています。この様な能力が備わっている通信キャリアであれば、お客様企業へそのメリットを上手く伝えることができると考えています。ここ数年の間に欧米諸国の通信キャリアは積極的にクラウド市場へ参入しており、かなりの勢いで事業の強化を進め、新しいサービス開発に積極的な投資をしています。そのやり方は「企業買収」と「Ecosystem」作りです。

企業買収の事例紹介

Verizon Communications Inc.(以下、Verizon) ,CenturyLink, Inc.(以下、CenturyLink), Telefónica, S.A.(以下、Telefonica) 等、欧米のキャリアは提供するクラウドサービスの幅を広げるために、積極的に企業買収を進めています。彼らは自社がユニークな立場に置かれている事を認識しており、クラウドは売り上げを増やす絶好の機会だと考えています。すなわち、多くの通信キャリアは既存事業における売上の減少をクラウド事業の拡大により緩和しようとしているのです。いくつかの例をご紹介します。

Verizon:
従来から運用していた23か国、220のデータセンターに加え、サービスの幅を広げるため、2011年1月に14億ドルを投じてクラウド事業者のTerremark Worldwide, Inc.を買収しました。これにより、Verizonは米国連邦政府のような重要顧客層も獲得しています。また、同年8月にはCloudSwitchを買収し、顧客のクラウドへの移行をスムーズにするソフトウェア技術を手に入れています。
CenturyLink Technology Solutions:
同様に、2011年4月にデータセンターやクラウドサービスを提供していたSavvis Inc.を買収しています。
Telefonica:
スペインのTelefonicaは、同国の中小企業に特化したホスティングとコロケーションを提供していたacens Technologies S.L.Uを2011年6月に買収しています。

Ecosystem作りの取組み

欧米キャリアは、買収だけでは無くEcosystem作りにも積極的に投資し、お客様のクラウドへの移行をスムーズにする環境を整備しています。たとえばBT Group plc (以下、BT) では、新規データセンターの構築を進めると共に、Cisco  Systems , IncやMicrosoft CorporationといったITベンダーとのパートナーシップを強化しており、自社のIT技術・コンサルティング力の向上にも力を入れています。また、医療や金融といった業界特化型のソリューションにも注力しており、IaaS, PaaSの領域を超え、お客さまのビジネスニーズを理解し、それに合うソリューションを提供しようとしています。

欧米諸国におけるKDDIのクラウド事業

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それではKDDIが欧米諸国においてどのような取り組みをしているのかご紹介します。KDDIは「TELEHOUSE」というブランドで、世界で約2,000社以上のお客様にデータセンターサービスを提供しています。1989年にニューヨーク、1990年にロンドンで事業を開始して以来、25年の実績を持ち、現在では世界の24都市に40拠点以上のデータセンターを展開する世界有数のデータセンター事業者となっています。
TELEHOUSEデータセンターの特徴として、通信キャリアを自由に選択出来ることがあります。お客様の利用するネットワークの種別や通信事業者に制約がなく、KDDIの競合企業にもご利用頂いており、お客様はビジネス環境に最適なネットワークを選択することが可能になります。そういった背景から、英国ではインターネットのハブとして重要な役割を果たしており、今年5月に安倍総理大臣がロンドンで行ったスピーチでも紹介されています。

「英国のインターネット・トラフィックは、実にその70パーセントが、イースト・ロンドンのデータセンターを通過します。いま、皆様が見ておいでのタブレットに来た情報も、そこを通ったに違いありません。ところでこのデータセンターを1990年以来運営し、皆様のインターネット活動の安全、安定を支えてきたのが、KDDI、日本の会社です。」

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この高品質なグローバルデータセンター「TELEHOUSE」をベースにKDDIのIaaS型サービス「KDDIクラウドプラットフォームサービス(KCPS)」を展開しています。KCPSは2012年7月に国内でリリースされ、2013年には中国を皮切りにグローバル市場にも展開しています。現在では米国、フランス、シンガポールでもご利用頂ける様になっており、今後は他のエリアへの展開も予定しています。これにより、お客様は海外での迅速なシステム立ち上げや複数拠点でのIT資産管理が可能となり、製造業やサービス業のお客様を始めとする多くのグローバル企業にご利用頂いています。クラウドは革新的なアイディアであり、ITシステムの構築や使い方を大きく変える仕組みです。企業がクラウドを用いてコスト削減やシステム構築のスピードアップ、事業の柔軟性の確保を行い、その先の顧客により良いサービスを提供しようという動きが加速しています。KDDIは今後もクラウドの世界で重要な役割を果たしていきたいと思っています。

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KDDI株式会社 ソリューション事業企画本部
クラウドサービス企画部

ヴェムリ ムルティ

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