2017.07.13

中国のクラウドは1強。IoTでさらに規模拡大中

こんにちは。KDDI上海でソリューション企画を担当している守岡です。
1年前までは、日本でKDDIクラウドプラットフォームサービスやAmazon Web Services(以下、AWS)のプリセールスをしていましたが、2016年4月に上海に赴任し、上海ではIoTなどの新しいソリューションの企画・開発・販売推進を担当しております。上海は、2007年~2010年に就業して以来2回目なのですが、7年前にはあまりなかったクラウドがビジネスの場面で多く使われるようになってきました。
 

グローバルではAWS、中国国内ではAliyunのシェアが断トツ

グローバルシェアNo.1のクラウドと言えば、皆さんも良く知るAWSですよね。Canalys社の「Cloud infrastructure market up 49%, intensifying global data center competition」を見ると、グローバル全体で33.8%のシェアを持っていて、No.1のシェアです。AWSは、世界中で15箇所のリージョン(GovCloudは除く)を展開していますが、中国は北京にあります。AWSの北京リージョンは、欧米系や日系企業の製造業などを中心に大人気で、多くのサーバが使われています。ただ、中国でもトップシェアなのかと思いきや、そうではありません。中国でNo.1のクラウドは、アリババ社のAliyun(阿里云)です。グローバルでは2.4%のシェアしかないAliyunも中国国内では40%近いシェアを持っています。他が10%以下のシェアなので中国ではAliyunの1強と言えるでしょう。なぜ、Aliyunが中国だけで圧勝できているのか。Aliyunのマーケティング、投資力、企画力、ビジネススピードの速さ、価格などもあるのですが、我々外資系にとって気になるのは、中国のクラウド免許制度です。
 

中国のクラウド免許制度

中国でクラウド(例としてIaaS)を提供する場合、クラウドの免許を保有している必要があります。2016年3月に改訂された電信業務分類目録によると、増値電信業務経営許可証の経営範囲に「インターネットデータセンター(IDC)業務」が含まれている企業しか提供できなくなりました。

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クララオンラインさんのサイトに詳しく解説されているので、詳しくはこちらを参照頂けたらと思います。
(出所):クララオンライン 中国の電信業務分類目録 13 年ぶり改正

免許のない企業はクラウドの提供ができず、免許を持つ第三者中国系パートナーと組んで提供する形になります。つまり、サービスを提供するにもパートナーとの協業が必要となり、パートナーとうまくやれないようだと新サービスのリリースに影響を与えます。例えば、中国のAWSはグローバル標準のAWSとは異なり、機能も一部しかリリースされていません。具体的にはAWS IoTなど今流行りのIoT系サービスがありません。これも自社単独でサービス提供できないことからリリースができないのかもしれません。クラウドのような新しいITは、サービスや機能追加にスピード感がなくなると競争優位性がなくなるので、こうした免許制度が外資系クラウドの中国シェア争いに影響を与えている可能性があります。
 

IoTアプリがクラウドの利用をさらに押し上げる

街を歩けばシェア自転車のサービスを見かけます。スマホから自転車の予約ができて、運転して、好きなところに乗り捨てできます。2016年の夏頃に最初にMobike(摩拜単車)を見かけましたが、今ではいろいろな会社がサービスを始め激しい競争が始まっています。

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Mobike

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小鸣单车とofo

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9M单车

各自転車にはGPSや6軸センサーがついており、自転車の位置、向き、速度、距離などをセンサーが収集し、クラウドへ送り、クラウドで処理し、スマホアプリから予約や走行距離やスピードなどを見ることができます。いわゆる今流行りのIoTを使ったサービスです。

IoTのようなサービスではクラウドは必須となります。市場ニーズを見極めつつアプリを都度修正しながら開発・リリースし、且つローンチ後に利用者数に応じた変動トラフィックを処理していくには、クラウドのスモールスタートやスケーラビリティが必要不可欠で、このIoTと共にクラウド需要はさらに高まっていくと思います。

Mobikeは、1日2,000万回、ofoは1,000万回以上乗車されていると言われています。Mobikeは年内には福岡や札幌などでの展開も予定されていますし、他国にも展開予定です。ofoについてはアメリカに展開予定ともいわれています。今後、利用者増とともにクラウドのサーバ利用がさらに増えていくと思います。

他にも、中国には日本以上に優れたIoTアプリが多くあります。バスの到着時間を予測するアプリ「車来了」やタクシーの配車アプリ「滴滴出行」、傘のシェアアプリ「e傘」、レストランやカフェなどの決済アプリ「Alipay」などです。こうしたアプリのプラットフォームとして稼働するクラウドは益々伸びていくことになります。

image1バスの到着時刻予測が分かる「車来了」

 

image2タクシーの予約ができる「滴滴出行」

 

KDDI上海がIoTで中国製造2025の国策を支援

最後に、私達KDDI上海の取り組みをご紹介します。IoTは、Mobikeのように製品に組み込むパターンと、製品を作る製造プロセスに組み込み工場のスマート化を進める2つのパターンがありますが、私達KDDI上海は後者の製造プロセスへのIoT導入に力を入れています。

7月11日、KDDI株式会社より「KDDI上海と常熟グリーン智能製造技術イノベーションセンターとの協業について」のプレスリリースを発出しました。

製造業イノベーションセンターの建設は、ドイツのインダストリー4.0の中国版、中国製造2025の中で国策として進めていますが、当社はその中の1つ「常熟グリーン智能製造技術イノベーションセンター」と協業する事になりました。イノベーションセンター内には、実証実験を行う場所や産学連携による研究スペースの他、FAや製造機械などの国を代表する企業のソリューションの展示がされており、実際に見て体験してもらう事ができます。KDDI上海はIT企業として選出された唯一の企業であり、IoTソリューションを展示しています。

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常熟グリーン智能製造技術イノベーションセンター外観

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KDDI上海のIoTソリューション展示ルーム

 

私達が展示するソリューションの一部をご紹介します。1つは、ネットワークインターフェースのないような古い設備でも運転データを自動的に収集(IoT化)ができるMC-Web Controllerと、人のデータ収集を行うConMas i-Reporterです。

資料
MC-Web Controller
資料2ConMas i-Reporter

 
工場には古い設備も多くありますし、記録は紙管理が中心です。現場でしか見る事のできなかった設備の運転状況を、IoTを使って自動的に運転状況を収集し、いつでもどこでも設備の状態を見ることができるようになります。また、工場に多くみられる紙の製造実績、検査結果などについては、人からの情報収集方法を紙→タブレットに変えて迅速に共有できるようにします。

これらの設備・人、2つのデータ収集手段を変えることで、現場で起こる問題の迅速把握ができるようになり問題の対処を早めることができます。具体的には、検査工程で不良を発覚した製品をいち早く特定し、前工程へ伝えて生産をストップできます。
 

常熟グリーン智能製造技術イノベーションセンターがオープン

さて、7月11日に常熟グリーン智能製造技術イノベーションセンターのオープニングイベントが行われました。多くの政府関係者と共に、当社もKDDIから執行役員が参加しIoTに関するプレゼンをいたしました。当社のソリューションについて詳しく話を聞きたい政府関係者や一般のお客様も何社か参加されており、非常に大盛況でした。

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最後に、当社はIoTを使った中国工場のデジタル化やスマート化などに対して多くの実績がございます。このブログを御覧頂いた方の中でお悩みのある方は、ぜひご相談頂けたらと思います。

 

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KDDI株式会社 グローバル事業企画本部
上海凱迪迪愛通信技術有限公司(KDDI上海)

守岡 純治

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