2021.03.19

新サーバータイプ「i3.Small-8」のテクニカルレポート

KDDIのクラウドエンジニア エキスパートの加藤 真人です。

2020年8月21日、「KCPS ベアメタルサーバー」に新たなサーバータイプ「i3.Small-8」を追加しており、すでに沢山の方にご利用いただいております。このタイプは、特にソフトウェアライセンス課題でお困りのお客様からの強い要望があり、新CPUに加え物理CPUを1個に集約したタイプになりす。現Smallタイプから構成を変更しているポイントがいくつかありますのでご説明致します。
 

1. Smallタイプの活用シーン

今回追加されたSmallタイプは、ベアメタルサーバーにおいて最小スペックのサーバーになります。特徴は、物理コア数、ソケット数が少ないためコア/ソケットライセンスで課金され、クラウドで利用する場合にライセンスが高額になってしまうようなソフトウェアで活用いただけることを想定しているタイプになります。
 

2. i3.Small-8の変更ポイント

今回の変更ポイントは①~④の4か所になります。


 
①CascadeLakeCPUの採用

これまでのHaswellタイプ(Xeon® E5-2623v3)からCascadeLakeタイプ(Xeon® Silver 4215)へCPUを新しいタイプへ変更しており、CPUの処理能力がカタログスペックで10~30%向上しています。

また、これまでご要望が多かった物理CPUを2Way(物理CPUが2個搭載)から1Wayに変更しております。CPU単体の性能が向上したメリットを受け、今回1Wayタイプをリリースしています。物理CPU数でライセンス課金がカウントされるソフトウェアをご利用のお客様にはメリットが大きいため、是非ご活用いただければと思います。

技術的特徴としてCascade Lakeでは、SkylakeからサポートされたAVX512やVNNIという機能がサポートされているため、AI・Deep Learningや様々な種類のアプリケーションで性能の向上に期待できます。

VNNI、AVX512の説明は以下となります。※詳細はこちら

【VNNI】VNNI を搭載したインテル® ディープラーニング・ブースト(インテル® DL・ブースト)
Vector Neural Network Instruction (VNNI) を備えた新しいインテル® ディープラーニング・ブースト (インテル® DL・ブースト) は、人工知能の推論パフォーマンスを強化しており AI を利用したシーンでの活用も可能です。

【AVX512】 アドバンスト・ベクトル・エクステンション 512
AVX-512 では、旧世代の AVX2 と比べてクロックサイクル当たりの FLOPS が倍増しており、各種アプリケーション (モデリングとシミュレーション、データ分析とマシンラーニング、データ圧縮、仮想化、デジタルコンテンツ作成など) における高負荷の演算タスクに対応できるよう、パフォーマンスとスループットが向上しています。
 
②メモリー

1WayのCPU構成に変更したことにより、2枚構成のメモリーから容量変更なく1枚構成に変更しております。

旧メモリー:32G-2133 DDR4 × 2
新メモリー:64G-2666 DDR4 × 1

集約することでメモリー内部での転送効率が向上するため、高速化のメリットを得やすい構成になっています。メモリーが1枚構成のため、メモリー障害時には縮退してのご利用は出来ませんのでご注意ください。
 
③ネットワークカード

2Portネットワークカードの二枚構成から、4Portネットワークカードの一枚構成に変更しております。

旧カード:QCT 82599ES 10Gbe SPF+ Dual ports 
新カード:Intel® X710-DA4 10G SFP+ quad ports

システム構成においては意識する必要のない部分ですが、ネットワークPortの冗長構成において、これまで別々のネットワークカードPortにて冗長構成を構成としておりましたが、同一カードでの構成となっております。


 
④RAIDカード

i2で導入されているRAIDカードとの仕様比較は下記になります。大きな違いはありませんが、キャッシュメモリーが1GBから2GBに拡張されたことは、Diskの処理速度において大きな性能向上が期待出来ます。

旧カード:Quanta SAS 3108 Mezz card
新カード:Quanta SAS 3516 Mezz card


 

3. まとめ

ソフトウェアライセンス費用の低減に対応するため、CPU1WAYタイプを提供しました、CPUを減らすことで生まれるデメリットをメリットでカバーすることでバランスの取れた構成となっております。仮想サーバーと違い、ハードウェアに実装された機能や性能をダイレクトに体感できるのも本サービスのメリットとなります。今後は、高速なストレージ領域として「ストレージクラスメモリ(SCM:Storage Class Memory)」などのデバイスを取り込んだ新しいタイプも検討してまいりますので、ご期待ください。
 

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KDDI株式会社 サービス企画開発本部
プラットフォーム技術部

加藤 真人

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